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海外進出する企業必見!事業税金の種類と課税方法について徹底解説します。

海外進出を検討する企業にとって、国ごとに異なる税金制度や課税方法の把握は非常に重要です。

本記事では、特に注意が必要な事業税の種類や課税方法について、具体例を交えて詳しく解説します。

税務のポイントを押さえておくことで、二重課税を回避し、コストを削減することで海外展開の成功率を大幅に向上させられます。

以下のようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。

  • 海外支店・現地法人・輸出取引の違いに応じた課税方法がわからない
  • 国際税務に関連する重要な制度のメリットを知りたい
  • 海外進出のメリットを最大限に活用したい

まずは、国際税務の基礎となる「租税条約」とその活用法について詳しくみていきましょう。

はじめに:租税条約とは

海外進出において、多くの企業が直面する課題は「税務」です。

特に、二重課税のリスクや、進出国ごとの異なる税制への対応が、経営戦略に大きく影響します。

このような課題を解決する鍵となるのが、租税条約の活用です。

租税条約とは、異なる国が税金に関する取り決めを定めた国際的な協定です。

正式名称は『所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約』です。

日本は、2024年12日現在で155カ国を超える地域・国と租税条約を締結しています。

参照:https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/tax_convention/index.htm

この条約の主な目的は以下の3点です。

まず、同じ所得に対して複数国で課税される「二重課税」を防ぎます。

次に、脱税や租税回避を防止するために、各国の税務当局間で情報交換や協力を進めているのです。

そして、最後に公平な課税環境を整備することで、国際的な投資や経済活動を支援しています。

具体的な内容としては、各国の課税権を明確化し、特定所得(例:配当や利息など)に低税率を適用する軽減税率制度が挙げられるでしょう。

また、納税者情報の交換や、条約解釈を巡る紛争の解決手続きも盛り込まれています。

例えば、海外子会社からの配当への源泉税が軽減されるケースや、従業員の海外勤務に伴う課税国の決定などが租税条約による恩恵を受けます。

ただし、このような条約を適用するには、必要書類の提出が求められます。

手続きには煩雑なものも含まれるため、不明点などは海外進出の専門家「グロスペリティ」にご相談ください。

海外進出の形態ごとに異なる課税方法【3種類】

海外進出する際、どのような形態で事業を展開するかによって、課税方法が大きく異なります。

主な形態は以下の3つです。

  • 海外支店の場合
  • 現地法人の場合
  • 輸出取引の場合

それぞれの特徴を理解することで、二重課税を回避し、売上を最大化できます。

ひとつずつ見ていきましょう。

1. 海外支店の場合

海外支店は、日本の本社と一体の組織として扱われます。

そのため、支店の所得は設置国で課税される一方、日本でも本社の所得として合算され、法人税が課されます。この結果、二重課税が発生しますが、ご安心ください。「外国税額控除制度」を活用することで、二重課税の調整が可能です。

ただし、日本と進出先の両国で税務申告が必要となるため、事務手続きが煩雑になる場合があります。

また、支店が「恒久的施設」として認定されると、進出国での課税範囲が広がることに注意が必要です。

例えば、現地での売上や利益が予想以上に高い場合、追加の課税リスクが生じることを考慮する必要があります。

2. 現地法人の場合

現地法人は、日本の親会社とは独立した法人として扱われます。

そのため、現地法人の利益は進出国で課税され、日本の親会社には直接課税されません。

ただし、両国の租税条約や移転価格税制など、親子間取引の税務ルールへの配慮が求められます。

この方式では、進出先の基準で課税される「全世界所得課税方式」が適用されるのが一般的です。

それに対して、日本の親会社と現地法人の損益を相殺することはできません。

そのため、現地法人が赤字の場合でも、日本での課税額に影響がない点に注意が必要です。

このような場合、親会社と現地法人間の移転価格設定を適切に行うことで、課税リスクを最小限に抑えることができます。

3. 輸出取引の場合

輸出取引の場合、商品に日本の消費税が課されない「輸出免税制度」が適用されます。

さらに、仕入れ時に支払った消費税は税務手続きにより還付されるため、実質的に消費税負担がなくなります。

この制度は、海外輸出に限らず、通信販売や郵便取引にも適用されます。

ただし、輸出免税を適用するためには、消費税課税事業者として登録されている必要があります。

また、仕入書や輸出契約書などの書類を正確に揃える必要があります。不備がある場合、還付が遅れるリスクがあるため注意が必要です。

国際税務で確認しておくべき3つの制度

海外進出時には、国際税務に関連する制度についても理解しておく必要があります。

  • 外国税額控除制度
  • 移転価格税制
  • タックスヘイブン対策税制

上記の3つは、進出先での税負担やリスクを軽減するために重要です。

それぞれの概要と注意点を解説します。

1. 外国税額控除制度

外国税額控除制度は、海外で課税された税金を日本で支払う法人税額から差し引く仕組みです。

二重課税を回避するための制度だと言い換えられます。

ただし、控除できる金額には制限があり、以下のいずれか低い方が適用される点にご注意ください。

  • 日本での控除限度額
  • 海外で実際に支払った外国法人税額

例えば、海外支店が現地で支払った所得税が10万円で、日本の控除限度額が8万円の場合、控除できるのは8万円までとなります。

また、控除限度額を超えた部分は控除されないため、進出先の税率や課税条件を事前に確認することが重要です。

2. 移転価格税制

「移転価格税制」は、グループ会社間の取引価格が不適切な場合に、税務当局が価格を再計算し、課税する制度です。

これは、不公平な所得移転を防ぐための規制であり、取引価格は「独立企業間価格」と同等に設定する必要があります。

例えば、日本の親会社が現地法人に商品を販売する際、通常より低い価格で取引を行った場合、現地法人に課される税金が減少し、不公平な所得移転とみなされます。

その場合、税務当局が適正価格を算定し、追徴課税が発生するリスクがあります。

また、取引内容を文書化(例:ローカルファイル作成)する義務があるため、税務調査への対応が不可欠です。

海外進出の経験が浅い企業は、専門家や海外進出コンサルへの相談を推奨します。

3. タックスヘイブン対策税制

「タックスヘイブン対策税制」は、軽課税国に設立された実質的な事業活動のない子会社の所得を、日本の親会社や株主の所得に合算し課税する制度です。

これにより、租税回避行為を防ぐ役割を果たします。

例えば、税率が極端に低い国に子会社を設立し、所得を移転させるケースでは、移転した所得が日本で課税対象となります。その一方で、子会社が現地で実質的な事業活動を行っている場合には、この規制の対象外となることもあります。

そのため、軽課税国に拠点を設ける際は「事業の実態があるかどうか」を慎重に確認することが重要です。

不当な税負担軽減が見なされないよう、適切な税務対策を講じる必要があります。

まとめ:事業税金について正しく理解し、海外進出を成功させよう

海外進出を成功させるためには、各国の税制や国際税務の制度を正しく理解し、適切に対応することが欠かせません。

「外国税額控除制度」や「移転価格税制」「タックスヘイブン対策税制」といった制度を活用することで、二重課税の回避や不必要な税負担の削減が可能です。

また、租税条約による優遇措置を活用すれば、公平な課税環境を整え、進出先での競争力を高めることができます。

税務申告の手続きや書類の作成には時間と労力がかかるため、事前に専門家と相談してリスクを最小限に抑えることが大切です。

「難しいことはわからない」という方も、ご安心ください。適切な対応を行うことで、国際税務リスクを軽減し、グローバル事業を円滑に展開できます。

海外進出に伴う税務リスクに不安をお持ちの方は、一度グロスペリティにご相談ください。

海外進出の事業計画の見直しから、税務戦略まで幅広くご対応しています。

 

EDITOR

監修者

岩﨑 正隆

岩﨑 正隆 / 代表取締役

福岡県出身。九州大学大学院卒業後、兼松株式会社にて米国間の輸出入業務や新規事業の立ち上げ、シカゴでの米国事業のマネジメントに従事。帰国後はスタートアップ企業にて海外事業の立ち上げを経験。自らのスキル・経験を基により多くの企業の海外進出を支援するために、2023年に株式会社グロスペリティを設立。

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