なぜ今、日本のキッチン用品がアメリカで選ばれているのか

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価格やデザインだけでなく、使いやすさ・品質・長く使えるかどうかといった点が、購買判断の重要な要素となっています。
こうした変化の中で、日本のキッチン用品は「実用性が高く、信頼できる製品」として注目を集めつつあります。
派手な機能や流行を追うのではなく、日常の料理体験を快適にする道具として評価されている点が特徴です。
一方で、アメリカ市場で継続的に選ばれるためには、日本国内での評価をそのまま持ち込むだけでは不十分です。市場トレンドやライフスタイルを理解したうえで、どの価値が「注目されているのか」を明確に伝えることが重要になります。
なぜ今、日本のキッチン用品が注目されているのか
機能性・品質への再評価
アメリカ市場では、「一度購入したら長く使えること」や「日常的にストレスなく使えること」といった実用性の高い製品への関心が高まっています。
こうした中で、日本のキッチン用品は、作りが丁寧で壊れにくく、無駄のない設計による使いやすさに加え、品質のばらつきが少ない点が評価され、信頼できる道具として認識されるようになっています。
料理体験を重視する消費者の増加
アメリカでは、自宅で料理を楽しむ文化が定着し、調理時間そのものを「価値ある体験」と捉える消費者が増えています。
その結果、
- 調理効率を高めるツール
- 手になじみ、使っていて疲れにくい設計
- 料理が楽しくなる道具
が選ばれやすくなっており、使う人目線で作られた日本のキッチン用品が注目される背景となっています。
サステナブル・長く使える製品への関心
アメリカ市場では近年、使い捨てや短期間での買い替えを前提とした消費から、長く使える製品を選ぶ意識へとシフトが進んでいます。環境負荷への配慮やサステナビリティに対する関心の高まりを背景に、「どれだけ長く、安心して使えるか」は重要な購買判断の軸となっています。
このような流れの中で、耐久性が高く、無駄のない設計が特徴の日本のキッチン用品は、結果的に環境にも配慮した製品として受け取られやすくなっています。
頻繁に買い替える必要がなく、日常的に使い続けられる点は、コストパフォーマンスの面でも評価される要素です。
アメリカの消費者にとって「サステナブルであること」は、必ずしも特別な素材や環境訴求だけを意味するものではありません。長く使えること自体がサステナブルであるという考え方が広がっており、日本のキッチン用品はその価値観と自然に重なっています。
日本のキッチン用品が米国展開に成功している背景と実例
アメリカ市場では、日本のキッチン用品の中でも、明確な強みを持ち、米国市場に適応した展開を行っているブランドが着実に成果を上げています。ここでは、実際に米国で評価されている日本ブランドを例に、その成功要因を整理します。
日本製包丁ブランドの成功例
日本製の包丁は、アメリカ市場において最も成功している日本キッチン用品の一つです。
その代表例として挙げられるのが、Shun(旬)に代表される関西圏の刃物産地にルーツを持つ包丁ブランドです。

これらのブランドは、「日本製」「職人技」といった背景だけでなく、切れ味の良さを「料理が楽になる」「調理時間が短くなる」といった具体的なベネフィットに翻訳して訴求しています。
さらに、英語での使用方法やメンテナンス方法を丁寧に提供することで、初めて日本製包丁を手に取るアメリカの消費者でも安心して購入できる環境を整えています。
日本の調理器具・デザインプロダクトの成功例
シンプルで機能的なデザインを特徴とする日本の調理器具ブランドも、アメリカ市場で存在感を高めています。
その代表例として挙げられるのが、柳宗理デザインのキッチンツールに象徴される、日本発の調理器具です。

こうした製品は、無駄のない造形と高い実用性を兼ね備えており、デザイン感度の高い消費者やインテリア意識の高い層から支持されています。
成功しているブランドに共通しているのは、日本の美意識を抽象的に語るのではなく、「キッチンに置いても美しい」「毎日使ってもストレスがない」といった生活視点で価値を伝えている点です。
その結果、キッチン用品を単なる道具ではなく、ライフスタイルの一部として認識させることに成功しています。
キッチン収納・整理用品ブランドの成功例
日本発のキッチン収納・オーガナイズ用品ブランドも、アメリカ市場で着実にファンを増やしています。
その代表例として知られているのが、Yamazaki(山崎実業)に代表される収納・整理用品です。

これらの製品は、限られたスペースを効率的に使うための設計思想を強みとしており、都市部やアパート暮らしの多いアメリカの生活環境と高い親和性を持っています。
また、収納力だけでなく、設置のしやすさや見た目のシンプルさ、他のインテリアと自然に調和する点を訴求することで、SNSやECサイト上でも使用前・使用後の変化が直感的に伝わりやすくなっています。
成功している日本ブランドに共通するポイント
これらの日本ブランドに共通しているのは、日本国内での評価をそのまま持ち込むのではなく、米国市場向けに価値を再定義している点です。
- 技術や品質を「使う人のメリット」に翻訳している
- 最初から万人向けを狙わず、ターゲット層を明確にしている
- 英語での情報提供やサポート体制を丁寧に整えている
こうした取り組みが、日本のキッチン用品を「日本製だから良い」ではなく、「使いやすく、信頼できる道具」として定着させることにつながっています。
韓国などアジアブランドがアメリカ市場で成功している背景と実例
一方で、韓国をはじめとするアジアのキッチン用品ブランドも、アメリカ市場で存在感を高めています。これらのブランドに共通しているのは、機能や品質に加え、発信力や見せ方を重視している点です。実際の成功例として、次のようなブランドが挙げられます。
- KIMSCOOK(キムスクック):韓国発のキッチン用品ブランドで、機能性の高い調理ツールとおしゃれなデザインを組み合わせた商品展開が強みです。料理の手間を減らす工夫を商品設計に落とし込み、SNS などで使用シーンを直感的に伝えています。

- H Cookware(エイチクックウェア):韓国デザインながら耐久性と熱伝導を重視した調理器具ブランドです。欧米やアジア圏でも評価される頑丈な作りが特徴で、米国のプロ・ホームシェフ層にも支持されています。

- Gochujar(ゴチュジャー):高品質な韓国食器・調理器具を扱うオンラインブランドで、米国向け通販にも対応しています。料理用途に合わせたセレクトが評価され、韓国料理文化とキッチン用品の両方を理解する層に響いています。

これらのブランドは、SNS や動画を活用して使用シーンや便利さを視覚的に伝える表現に長けているため、初めてその商品や文化に触れる消費者でも抵抗なく受け入れられています。
また、アメリカの住宅事情や調理スタイルを前提にした商品設計やサイズ感にも工夫が見られます。単なる輸出ではなく、米国市場向けの仕様や価格帯を調整することで、アジア製品を「使いやすいキッチン用品」として認識させることに成功しています。
さらに、健康志向やサステナブルといったトレンドと結びつけたメッセージ設計も、ブランド浸透を後押ししています。
成功事例から見える共通ポイント
日本・韓国を含むアジアブランドの成功事例からは、いくつかの共通点が見えてきます。それは、単に品質が高いだけではなく、市場に合わせた伝え方・売り方・入り方を設計していることです。
日本ブランドは「信頼性・実用性」を軸に、韓国などのアジアブランドは「分かりやすさ・発信力」を強みにしており、それぞれの特性を活かしたアプローチが成果につながっています。アメリカ市場で日本のキッチン用品がさらに成長していくためには、これらの成功パターンを参考にしながら、自社の強みをどう市場に届けるかを設計することが重要と言えるでしょう。
日本のキッチン用品をアメリカ市場で展開する際のポイント
アメリカ市場で日本のキッチン用品が注目されている一方で、「注目=そのまま売れる」わけではありません。
評価されているポイントを正しく理解し、それをアメリカの消費者に分かる形で伝えることが重要になります。
- どんな悩みを解決する道具なのか
- どんな料理シーンで役立つのか
- なぜ日本製なのか
を具体的に示すことで、注目を「購買」へとつなげることが可能になります。
アメリカ進出を成功させるためにグロスペリティができること
アメリカ市場で日本のキッチン用品を展開するためには、単に商品を輸出するだけでなく、「どこに、どのように売るか」「どう価値を伝えるか」を一体で設計することが重要です。
グロスペリティでは、日本企業が直面しやすい課題に対し、営業・マーケティング・実務対応を横断した支援を行っています。
アメリカ向け営業代行・販路開拓支援
アメリカのキッチン用品市場では、販路によって求められる価格帯や商品特性が大きく異なります。
グロスペリティでは、
- アメリカ現地の小売店・専門店・EC事業者の開拓
- 商品特性や価格帯に応じた販路選定
- 商談設定から条件調整・交渉までの実務支援
を通じて、実際に成約につながる可能性の高い取引先との商談機会創出を重視しています。「どのチャネルから入るべきか分からない」という初期段階からの相談にも対応可能です。
マーケティング・ブランディング支援
日本のキッチン用品が持つ品質や使いやすさといった強みは、伝え方を誤ると十分に理解されないことも少なくありません。
グロスペリティでは、
- アメリカ市場向けの訴求ポイント整理
- 英語Webサイト・商品ページの企画制作
- 使用シーンを意識したコンテンツ設計
- SNSやECを活用した情報発信支援
を通じて、日本製キッチン用品の価値をアメリカの生活文脈に合わせて分かりやすく翻訳します。
実務・規制対応サポート
キッチン用品であっても、素材表示や安全基準、電気製品の場合の規格対応など、事前に確認すべき実務項目は少なくありません。
グロスペリティでは、
- 商品仕様・表示内容の事前チェック
- 輸出・通関に関する実務サポート
- 販売前に想定されるリスク整理
などを通じて、「売る前に止まらない」ための体制づくりを支援します。
実行を見据えたワンストップ支援
アメリカ市場では、営業・マーケティング・実務対応を分断して進めることで、途中でプロジェクトが止まってしまうケースも少なくありません。
グロスペリティは、市場理解から実行までを一気通貫で支援することで、日本のキッチン用品をアメリカ市場で「注目」から「継続的な成果」へとつなげます。
まとめ|日本のキッチン用品をアメリカ市場で成功につなげるために
前述した通り、アメリカ市場ではキッチン用品に対して、使いやすさや品質、長く使える価値を重視する消費者が増えています。こうした背景から、日本のキッチン用品は、その実用性や丁寧なものづくりが評価され、注目を集めています。
一方で、「日本製」「高品質」という理由だけでは継続的な成果にはつながりません。市場トレンドやライフスタイルの違いを踏まえ、どの価値が評価されているのかを見極めたうえで、商品設計・伝え方・販路を一体で考えることが重要です。
グロスペリティは、こうした視点をもとに、営業・マーケティング・実務対応を横断した支援を行い、日本のキッチン用品をアメリカ市場で継続的な成果へとつなげるサポートを提供しています。
監修者
岩﨑 正隆 / 代表取締役
福岡県出身。九州大学大学院卒業後、兼松株式会社にて米国間の輸出入業務や新規事業の立ち上げ、シカゴでの米国事業のマネジメントに従事。帰国後はスタートアップ企業にて海外事業の立ち上げを経験。自らのスキル・経験を基により多くの企業の海外進出を支援するために、2023年に株式会社グロスペリティを設立。

