海外進出に利用できる補助金とは?メリットについても一挙解説!
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「できれば補助金を利用したい。」このように思っている方も多いはずです。
そこで今回は海外進出に利用できる補助金について紹介をします。メリットについても一挙に解説しますので、参考にしてください。
海外進出に利用できるおすすめの補助金を一挙紹介
まずは海外進出に利用できるおすすめの補助金を、一挙に紹介します。
- 小規模事業者持続化補助金
- ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
- 地方自治体が支援する海外進出補助金
- 投資金融
- JAPANブランド育成支援事業
それぞれの補助金の内容についてわかりやすく紹介をします。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は日本政府が実施している補助金制度で、小規模事業者の販路開拓などの取り組みを支援することを目的としています。
もちろん海外進出にも利用が可能です。
- 対象: 小規模事業者(商業・サービス業では従業員5人以下、製造業等では20人以下)
- 補助金額: 通常枠で上限50万円、特定の条件を満たすことで上限200万円(補助率2/3)
- 使途: 販路開拓や生産性向上のための取り組み(例:新商品開発、販促ツール作成、展示会出展など)
申請は、商工会・商工会議所の支援を受けながら経営計画を作成し行います。比較的利用しやすい補助金として活用する方が多いです。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)は、中小企業・小規模事業者等の革新的な製品・サービス開発や生産プロセスの改善に必要な設備投資などを支援するものです。
- 対象者:中小企業、小規模事業者、一定の要件を満たす特定非営利活動法人
- 補助対象事業:革新的な製品・サービス開発、生産プロセスの改善による生産性向上
- 補助金額と補助率:通常枠の場合、補助上限額は1,000万円で、補助率は中小企業が1/2、小規模企業者・小規模事業者が2/3
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は事業計画を策定し、従業員の賃金引上げや付加価値額増加等の目標設定が必要です。
地方自治体が支援する海外進出補助金
地方自治体が支援する海外進出補助金は、地域によって様々な制度が存在します。一般的な特徴と、いくつかの代表的な例を紹介するので参考にしてください。
地方自治体の海外進出補助金の特徴
- 地域の特性に合わせた支援
- 比較的小規模な事業者も対象になることが多い
- 地元企業の国際競争力強化を目的としている
地方自治体の海外進出補助金の例
・東京都:中小企業海外展開支援事業
補助上限額:300万円、補助率:1/2以内
・大阪府:大阪府海外拠点設置補助金
補助上限額:500万円、補助率:1/2以内
・愛知県:中小企業海外販路開拓支援補助金
補助上限額:100万円、補助率:1/2以内
・福岡県:福岡県中小企業海外展開支援補助金
補助上限額:200万円、補助率:1/2以内
これらの補助金は、海外見本市・展示会への出展、海外向け商品開発・改良、外国語版カタログ・ウェブサイトの作成などに利用できるのが一般的です。
投資金融
投資金融は、株式会社国際協力銀行(JBIC)が実施する金融支援制度です。
この制度は、日本にとって重要な天然資源の開発や確保を目的とし、海外における資源関連プロジェクトに対して融資や出資等の金融支援を提供します。具体的には、以下のような支援を行います。
- 資源開発事業への融資
- 資源権益取得のためのM&A支援
- 資源関連インフラ整備への投融資
この制度は、日本の資源安全保障強化と経済発展に寄与することを目的としており、主に日本企業による海外での資源開発や権益取得を促進します。
JBICは、この投資金融を通じて、日本のエネルギー安全保障の確保、国際競争力の維持・強化、および持続可能な経済成長の実現に貢献しています。
JAPANブランド育成支援事業
JAPANブランド育成支援事業は、中小企業庁が実施する海外販路開拓支援のための補助金制度です。
この事業は、日本の中小企業が持つ優れた製品やサービスを海外で販売するため、ブランド力の向上と新市場開拓を支援することを目的としています。
補助金は「戦略策定段階」と「ブランド確立段階」の2段階に分かれています。
- 戦略策定段階…海外市場調査やブランディング戦略の立案に対して最大200万円が補助される
- ブランド確立段階…実際の商品開発や海外展示会への出展、プロモーション活動などに対して最大2,000万円が補助される
どちらの段階も補助率は費用の3分の2以内です。
この制度を利用することで、中小企業は海外市場でのブランド構築にかかる費用負担を軽減でき、より積極的に海外展開に取り組むことができます。
対象となる活動は、市場調査、商品開発、パッケージデザインの改良、展示会出展などです。
海外進出の際に、補助金を利用するメリット
海外進出をする際に補助金を利用するメリットはたくさんありますが、主なメリットをいくつか紹介します。
- 原則返済が必要ない
- 実績を作ることで、銀行融資を受けやすくできる
海外進出をする際のメリットについてわかりやすく説明をします。
原則返済が必要ない
補助金は原則返済の必要がありません。融資のように返済なく利用できるのは、海外進出に補助金を利用する大きなメリットになるでしょう。
実績を作ることで、銀行融資を受けやすくできる
補助金を利用し、海外進出で実績を作ることで、銀行融資を受けやすくなるメリットがあります。
販路の拡大やコスト削減などにつながれば業績が良くなり、今後、銀行融資が受けやすくなるのは補助金を利用する大きなメリットでしょう。
海外進出の際に補助金を利用する注意点
海外進出の際に補助金を利用する際には注意点もあります。いくつかの注意点について紹介をします。
- 審査に時間がかかる
- 基本後払いのものが多い
海外進出をする際に、補助金を利用する際の注意点についてしっかりと理解しましょう。
審査に時間がかかる
補助金は返済の必要がないため、非常に利用価値が高いですが、その分、審査に時間がかかる傾向にあります。
審査に数ヶ月かかるケースも珍しくないため、利用する際は計画的に利用するようにしましょう。
基本後払いのものが多い
補助金は基本的に後払いのものが多いです。先に自己資金を当てなければならないのはデメリットになってしまうでしょう。こちらも計画的な資金繰りが必要です。
海外進出のための補助金を探す方法を一挙紹介
海外進出のための補助金を探すには、まずはインターネットで検索するのが良いでしょう。
おすすめのサイトが2つありますので、参考にしてください。
■ スマート補助金
https://www.smart-hojokin.jp/subsidy/categories/abroad
国の補助金や補助金の情報をまとめたサイトです。
■ 資金調達ナビ
会計ソフトの「弥生」が提供している補助金の情報サイトです。
まずは、これらのサイトを利用して、ご自身に合った補助金を選ぶようにしましょう。
補助金だけではなく、取引銀行との調整も重要
補助金は、とても利用価値が高いですが、補助金だけで海外進出に関するお金の調達が全てできるわけではありません。
やはり、融資をしてくれている取引銀行との調整が重要です。
取引銀行と相談することによって、円滑な海外進出を可能にできるでしょう。
なぜなら、ノウハウがたくさんあるからです。
ただし、信用金庫については、海外進出のノウハウが若干薄いため、海外進出を検討しているのであれば有力地方銀行やメガバンクとの取引を始めた方が良いでしょう。
補助金申請支援業者の活用
補助金申請の支援業者を活用し、効率的・効果的に補助金申請を進めることも可能です。
支援業者では、補助金の選定~戦略立て含めた活用方法のアドバイス~申請内容の作成~採択後の推進サポートまで一気通貫での支援可能なケースが一般的です。
更に、海外進出に絡める場合は、戦略立ての部分で海外進出のノウハウを有していることも必要となってきます。
株式会社グロスペリティでも、補助金申請x海外進出支援のサポートが可能となっております。
まとめ
今回は海外進出に利用できる補助金をテーマに説明をしました。補助金は、原則返済の必要がないため、ぜひ積極的に利用するようにしましょう。
ただし、補助金の審査には時間がかかるケースが多いので、計画的に利用するのが重要です。ぜひ今回の記事を参考にしていただき、自社に合った補助金を見つけていただければと存じます。
自社のみでの補助金選定や申請が難しいと感じる場合は、補助金支援業者も活用しながらの推進もご検討いただければ幸いです。
監修者
岩﨑 正隆 / 代表取締役
福岡県出身。九州大学大学院卒業後、兼松株式会社にて米国間の輸出入業務や新規事業の立ち上げ、シカゴでの米国事業のマネジメントに従事。帰国後はスタートアップ企業にて海外事業の立ち上げを経験。自らのスキル・経験を基により多くの企業の海外進出を支援するために、2023年に株式会社グロスペリティを設立。