FDA登録とFDA認証の違いは?海外進出に必要な申請方法を解説します。
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FDA登録とFDA認証の違いは?海外進出に必要な申請方法を解説
海外進出の際、市場規模の大きなアメリカをターゲットとする企業は多いでしょう。米国市場で食品、医薬品、医療機器などを販売する際にはFDAへの登録と認証の取得が必要不可欠です。しかし、認証の手続きに苦戦したり、申請が必要なのか判断がつかなかったりするケースもあります。
そこで本記事では、FDAの認証取得プロセスと認証が必要な商品を分かりやすく解説します。FDAの認証は、米国市場へ参入するために必須です。本記事を最後まで読んで理解を深めましょう。
はじめに:FDAとは?
そもそもFDAとは米国食品医薬品局(Food and Drug Administration)の略称です。
FDAは米国市場で販売される食品、医療品、医療機器、化粧品などの製品を監視し、製品の安全性と有効性を保証しています。
米国市場で製品を販売するためにはFDAが定める基準を満たす必要があります。もし、FDAの認証なしに米国へ輸出した場合は厳しい罰則があります。警告書が送付されたり、製品が差し押さえになったりする可能性がありますので認証漏れに注意しましょう。
FDA登録とFDA認証の申請方法の違いとは?
FDA登録とFDA認証の違いは間違いやすいため、注意が必要です。この二つは対象となるものが異なります。まずはこの2つの違いを理解しておきましょう。
FDA登録
FDA登録は、アメリカ市場に参入する企業や施設を登録するプロセスです。製品の安全性や有効性を審査するものではなく、あくまで施設や事業者の登録をします。
例えば食品関連施設の場合、施設情報に加えて扱う食品の情報も提供しなければなりません。登録にあたりFDAからの審査はありませんが、有効期限があるので注意しましょう。食品施設の登録有効期限は登録から最初の西暦偶数年12月31日まで有効です。その後も偶数年毎に更新を行う必要があります。
FDA認証
FDA認証は製品をアメリカへ輸出するために承認を得るプロセスです。輸出する製品に対し、それぞれ申請方法が異なります。まずは、製品がFDA認証に該当するかを確認しましょう。仮に申請が必要な場合、製品分類によってFDA認証の流れは大きく異なります。必ず該当する製品を明らかにし、適切なフローで申請しましょう。
FDA認証の申請の流れ
FDA認証の申請プロセスは、製品の種類や分類に応じて異なります。ここでは、食品製造施設を例にFDA認証取得の流れを説明します。
<流れ>
1.米国代理人の指定
2.製造施設の登録
3.商品ラベルの記載
4.食品安全計画の策定
5.事前通知
1.米国代理人の指定
まず製造施設は、米国に居住している個人または法人を米国代理人として登録しなければなりません。米国代理人の役割はFDAとの窓口として、情報のやり取りや問い合わせ対応を行うことです。米国代理人は製造業者とFDAを繋ぐ重要な役割を担います。
2.製造施設の登録
次に製造施設をFDAへ登録する必要があります。対象は米国内で消費される人や動物向けの食品を製造、加工、梱包、保管する米国内外の施設です。施設の登録は、食品施設登録システム(FURLS)を通じてオンラインで行います。輸出する場合、日本国内の施設も対象となりますので忘れずに登録しましょう。
3.商品ラベルの記載
商品ラベルには食品名、正味内容量、成分、栄養表示などを英語化して記載する必要があります。さらにFDAの定めるルールに従って記載しなければなりません。例えば、正面には識別通称または食品名を記載しますが、中身が容易に分かる必要があります。また、ラベル位置や文字のサイズ、文字の高さなども決められています。FDA認証が得られるようにルールに即した記載を徹底しましょう。
4.食品安全計画の策定
食品安全強化法(FSMA)に基づき、製造業者は食品安全計画を策定する必要があります。食品安全計画とはヒト向け食品に対する危害分析および予防管理を網羅的にまとめて文書化したものです。
FDAは製造施設に食品安全計画の実施を義務付けており、実施しない場合は市場へ出荷できない可能性があります。FDAの規則に沿った適切なプランを策定して不適合とならないように気をつけましょう。
5.事前通知
米国に食品を輸入するタイミングでは、FDAに対して事前通知をする必要があります。具体的には食品が米国へ到着する前に、食品の製造業者、製品名、製品重量、運送手段、到着時刻などをFDAに通知します。事前通知はPNSIという事前通告システムを使用します。また、航空輸送は到着の4時間前、海上輸送は到着の8時間前までに事前通知を完了させなければなりません。期限に注意して、忘れずに事前通知をしましょう。
FDA認証の申請が必要な対象商品を紹介
FDA認証を怠ると企業の提供する商品が差し押さえになったり、活動禁止を命令されたりすることがあります。カテゴリーからFDA認証の対象となる商品を確認し、輸出する製品が該当するかを確認しておきましょう。
食品および飲料
身の回りにある食品/飲料のほとんどが該当します。基本的に食品を米国へ輸出する際には認証が必要になると考えておきましょう。
- 生肉、魚、野菜、果物
- 卵、卵製品
- 冷凍食品(冷凍野菜、冷凍肉など)
- 乳製品
- 飲料(ソフトドリンク、アルコール)
- 調味料
- サプリメント
- 飼料、ペットフード
- パン、スナック菓子、砂糖菓子
医薬品
医薬品は医師から処方される処方薬、市販で購入できる市販薬など種類が豊富です。さらに新薬も該当し、FDAが臨床データなどからヒトへの安全性や使用のリスクを判断した上で承認しています。
また、薬としての効果が認められている育毛剤なども医薬品に分類されます。医薬品と認識しづらい製品が分類されている可能性もあるので、必ず確認しておきましょう。
- 処方薬、市販薬
- ジェネリック医薬品
- ワクチン
- 薬用シャンプー、薬用歯磨き粉
- 育毛剤
医療機器
FDAは医療機器をリスクレベルに応じて3つのクラスに分類分けしており、異なる規制が適用されています。認証プロセスもクラスごとに異なるため、どのクラスに該当するかを正しく把握することが重要です。
クラスI(低リスク)
包帯、絆創膏、手術用手袋、歯ブラシなど、不具合が起きてもリスクの低い医療機器が該当します。ただし、低リスクとはいえ品質が担保されており、検査基準をクリアしなければなりません。
クラスII(中リスク)
クラスⅡに該当するのは血圧計、温度計、電動車椅子、超音波振動など、中程度のリスクを要する製品です。クラスⅡの製品はFDAに510(k)という事前申請を行い、同様の機器と比較して安全性を確認する必要があります。
クラスIII(高リスク)
人工心臓、ペースメーカー、人口呼吸器など、人体へ重大なリスクを伴う機器が該当します。クラスⅢの製品は機器市販審査の中で最も厳しいPMA(市場前承認)を通過しなければなりません。リスクが高いため厳格な審査が必要となることを覚えておきましょう。
まとめ:FDA認証の必要有無を把握して適切に手続きを行う
今回はFDA登録とFDA認証の違いやFDA認証の取得プロセスについて解説しました。アメリカ市場へ参画する際は、複雑なFDAの手続きを完了する必要があります。解決が困難な場合には、必要に応じて輸出サポート企業の支援を受けるのが得策です。
弊社グロスペリティでは、輸出販売を含む海外進出のコンサルティングをしています。また輸出後の継続的な支援も行っているので、海外進出でお困りの際はぜひ弊社までお問い合わせください。
監修者
岩﨑 正隆 / 代表取締役
福岡県出身。九州大学大学院卒業後、兼松株式会社にて米国間の輸出入業務や新規事業の立ち上げ、シカゴでの米国事業のマネジメントに従事。帰国後はスタートアップ企業にて海外事業の立ち上げを経験。自らのスキル・経験を基により多くの企業の海外進出を支援するために、2023年に株式会社グロスペリティを設立。