海外事業に関する補助金を徹底解説!中小企業が受けられる支援と注意点
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支援制度は展示会出展や市場調査など幅広い用途に対応しており、中小企業にとって心強い支援となります。
この記事では、海外進出を支える主な補助金制度の概要や利用のメリット、申請時の注意点を詳しく解説します。
海外進出で活用できる補助金・助成金の基礎知識
海外市場に進出する中小企業にとって、資金調達は大きな課題です。
資金調達という課題を解決する手段として補助金・助成金を活用すれば、財政負担を軽減し、新市場でのリスクを最小限に抑えられます。
しかし、適用条件や支援内容は各制度ごとに異なるため、制度の特徴を理解しておくことが重要です。
この章では、海外展開を支援する補助金・助成金の基本的なポイントを紹介します。
海外販路開拓の補助金・助成金の基本概要
海外販路を開拓する際に役立つ補助金・助成金の支援は、展示会出展費用、市場調査費用、商品開発費用などが対象経費となる場合が多いです。
例えば、長野県の「中小企業海外販路開拓助成金」では、上限150万円まで助成を受けられ、海外展示会への出展を促進しています。
このような制度を活用することで、海外展開初期の財政的負担を軽減し、新規市場への参入をスムーズに行えます。
各地域や業界で提供される支援内容は異なるため、地域の産業振興課や自治体の情報を確認しましょう。
自社に最適な補助金を選択することで、より効果的に海外進出を成功させられます。
海外事業の補助金と助成金の違いは?
補助金と助成金は似ていますが、いくつか異なる点があります。
補助金 | 助成金 | |
返済の必要性 | 返済不要 | 必要な場合がある |
支給条件 | 審査を通過すれば支給 | 条件を満たせば支給されることが多い |
使用目的の制限 | 制限あり | 制限あり |
補助金も助成金も基本的には返済不要ですが、補助金は審査を通過する必要があります。その一方で、助成金は条件を満たせば支給されることが多いです。
また、どちらも使用目的に制限があり、具体的な計画や実績報告が求められます。
これらの制度をうまく活用するためには、計画の段階で申請要件を満たすよう準備を整えることが重要です。
日本国内で利用可能な主な補助金制度
国内補助金制度をうまく活用すれば、資金負担を軽減しながら設備投資や技術革新を進め、競争力を高められます。
実際、販路拡大に向けたプロモーション活動や市場調査を支援する補助金も充実しているので、選択肢は豊富にあるでしょう。
ここでは、中小企業向けの補助金制度や輸出促進関連の支援策について具体的に紹介します。
1. 中小企業向けの補助金制度
国内には中小企業向けの補助金制度がたくさんあります。代表的なものに以下の2つが挙げられるでしょう。
- ものづくり補助金
- IT導入補助金
「ものづくり補助金」は、革新的な製品やサービスの開発、生産プロセスの効率化を目的に、最大1,000万円が支給される制度です。
一方、「IT導入補助金」は、業務効率化や売上向上を目指してデジタルツールを導入する際に活用でき、最大450万円が補助されます。
これらの制度を賢く活用して、資金調達を強化しましょう。
2. 輸出促進関連の補助金
輸出を加速するための補助金制度も見逃せません。これらは、海外展示会への出展やプロモーション活動などを支援する制度です。
例えば、農林水産省が実施する「農林水産物・食品輸出促進緊急対策事業」は、食品製造事業者を対象に、最大2,000万円の補助を行っています。
この制度では、製造拡大のための機械導入費用も対象となり、日本食文化や農林水産物の認知度向上を目指します。
輸出促進関連の補助金を活用することで、現地市場への効果的なアプローチを行い、競争力を高められます。
ただし、申請に際しては詳細な事業計画を提出する必要があるため、事前の準備をしっかり行うことが重要です。
3. 都道府県別の独自支援策
各都道府県も独自の支援策を展開しています。
例えば、富山県では「とやま輸出拡大活動支援事業」という助成金制度を実施中です。この制度には、海外商談会への出展や新商品の開発を支援する「トライアル型」と、販路拡大やプロモーション活動を支援する「発展型」の2種類があります。
支援額や対象経費は都道府県ごとに異なります。
自社の事業内容に合った補助金を見つけ、積極的に活用することで、進出後の負担を軽減し、効果的な海外展開を実現できます。
他にもある海外進出を支える補助金・助成金制度
海外進出を支える補助金・助成金制度は多岐にわたります。国内外の市場での競争を勝ち抜くためには、これらの制度を上手に活用することが不可欠です。
特に、海外市場におけるブランド構築や資金調達を支援する制度は、現地での活動を円滑に進める上で大きな助けとなります。
以下では、代表的な補助金制度や融資制度を紹介しますので、自社に適した支援策を見つける参考にしてください。
JAPANブランド育成支援事業
「JAPANブランド育成支援事業」は、地域中小企業が海外展開や全国展開を行う際に活用できる補助金制度です。
この制度は、新商品・サービスの開発やブランディング、新規販路の開拓を支援することを目的としています。
補助金額は単独の企業で最大500万円、複数社が協力する場合は最大2,000万円まで支給されます。
地域の独自性を生かしたブランドを世界に発信することで、域外からの需要を獲得し、地域経済の活性化を図る狙いがあります。
特に、特産品や伝統工芸品を扱う企業にとって魅力的な制度と言えるでしょう。
海外展開・事業再編資金
「海外展開・事業再編資金」は、日本政策金融公庫が提供する融資制度です。
この制度は、海外進出に伴う設備資金や運転資金を低金利で借り入れできるのが特徴です。
補助金とは異なり返済が必要ですが、長期的な資金調達を必要とする企業にとっては有効な支援策となります。
また、融資条件も比較的柔軟で、進出先での新たな事業展開や既存事業の再編を計画している企業を幅広く支援しているのが特徴です。
国際協力銀行「中堅・中小企業向け融資」
海外企業の買収や現地法人の設立を考える中小企業には、国際協力銀行(JBIC)の「中堅・中小企業向け融資」が適しています。
この制度は、民間金融機関との協調融資形式をとり、大規模な海外投資を支援します。
具体的には、現地市場への参入を支援する設備投資やM&Aの資金調達をサポートします。特に、大規模なプロジェクトを計画している企業にとっては、民間銀行と連携した融資を受けることで、リスクを分散しつつ資金を確保できます。
JBICの支援を活用することで、グローバル市場での競争力を高めることが期待できるでしょう。
まとめ:海外進出する事業には補助金を活用しよう
海外進出する事業の補助金や助成金は、中小企業の海外進出を強力に支援する手段です。
国内外で活用できる補助金制度を効果的に組み合わせることで、資金負担を減らし、競争力を高められます。
また、各都道府県や国際機関が提供する独自の支援策を活用することも重要です。ただし、申請には審査や実績報告が必要な場合が多いため、事前準備をしっかり行いましょう。
海外進出に関する戦略などで不安のある方は、グロスペリティまでお問い合わせください。
監修者
岩﨑 正隆 / 代表取締役
福岡県出身。九州大学大学院卒業後、兼松株式会社にて米国間の輸出入業務や新規事業の立ち上げ、シカゴでの米国事業のマネジメントに従事。帰国後はスタートアップ企業にて海外事業の立ち上げを経験。自らのスキル・経験を基により多くの企業の海外進出を支援するために、2023年に株式会社グロスペリティを設立。