アメリカへの食品輸出「関税」と「FDA」は何が違う?混同しやすい2つの関門を整理

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しかし、この2つは役割がまったく違います。ここを整理しないまま準備を進めると、関税のことは調べたのに、輸入できなかったという事態にもなりかねません。この記事では、はじめて食品のアメリカ輸出を検討する方に向けて、関税とFDAの違いをわかりやすく解説します。
関税とFDAはそもそも役割が違う
まず結論から言えば、関税は「お金(税金)の関門」、FDAは「安全・法規制の関門」です。
関税は、商品をアメリカに輸入する際にかかる税金のことです。一方、FDA(Food and Drug Administration=アメリカ食品医薬品局)は、食品や医薬品などの安全性を管理する政府機関であり、その規制に対応することが求められます。
つまり、食品をアメリカで売るには、関税というお金の関門とFDAという安全・法規制の関門の両方を通過する必要があるということです。片方だけをクリアしても、もう片方で止まってしまえば、商品は市場に届きません。
関税とは:輸入にかかる税金
関税は、アメリカに商品を輸入する際に、輸入者が税関に対して支払う税金です。商品ごとに割り当てられる品目分類(HTSコード)によって税率が決まり、その分だけ販売にかかるコストが増えます。
食品の場合、種類や加工の度合いによって分類が変わるため、自社の商品がどのコードに該当するのかを正しく確認することが大切です。関税は価格やコストに関わる話であり、基本的には計算して見込んでおくべきコストだと考えると分かりやすいでしょう。
FDAとは:食品の安全を守る規制
一方でFDAは、税金ではなく安全のためのルールです。アメリカで食品を流通させるには、FDAが定める規制に沿って、施設の登録やラベル表示、必要な手続きなどに対応する必要があります。
ここが関税と決定的に違う点です。関税はお金を払えば済む性質のものですが、FDA規制はお金を払えば回避できるものではありません。定められた要件を満たしていなければ、輸入そのものが認められないことがあります。だからこそ、食品輸出では早い段階からの準備が欠かせません。
食品輸出で特に重要なFSVP
食品をアメリカに輸出する際に、特に押さえておきたいのがFSVP(外国供給業者検証プログラム)です。FSVPは、アメリカの食品安全強化法(FSMA)に基づく規則で、これに対応できていないと、商談が破談になったり、港で商品が差し止められたりするリスクがあると、グロスペリティも解説しています(FSVPに関する解説記事)。
食品は特に規制が細かい分野です。
良い商品だから売れるの前に、そもそも輸入できる状態を整えることが土台になります。
関税はクリアしたのに輸入できないが起きる理由
関税とFDAは別々の関門であるため、関税は問題なかったのに、FDA対応が不十分で商品が止まってしまったということが実際に起こり得ます。逆に、FDAの手続きを整えても、関税を見込んでいなかったために利益が出ない、というケースもあります。
大切なのは、この2つを「別のもの」として、それぞれきちんと準備することです。どちらか一方だけに意識が向いていると、思わぬところでつまずいてしまいます。
食品輸出を始める前に整理しておきたいこと
最後に、食品のアメリカ輸出を始める前に整理しておきたい観点をまとめます。
ひとつ目は、「自社の商品にかかる関税を、品目分類にもとづいて把握しているか」です。これが分からないと、利益が出る価格設定ができません。ふたつ目は、「FDAが求める手続きに対応できているか」です。施設の登録やラベル表示、必要な検証プログラムへの対応など、安全・法規制の関門を通過できる状態になっているかを確認します。
そして三つ目が、「アメリカ国内で誰が輸入者になるのか」です。受け皿となる輸入者が決まっていないと、通関の段階で手続きが進みません。この3つを、関税とFDAの両面から整理しておくことが、スムーズな食品輸出の出発点になります。「良い商品を作る」ことと「アメリカで売れる状態を整える」ことは別の作業だと意識しておくと、準備の抜け漏れを防ぎやすくなります。
食品輸出の2つの関門をワンストップで越える
関税とFDA、この2つの関門を日本の中小企業が独力で越えるのは、決して簡単ではありません。英語での手続き、現地の規制の理解、輸入者の手配など、慣れない業務が次々に発生するためです。
株式会社グロスペリティは、施設登録、米国代理人の引き受け、英語での食品安全計画の作成、ラベルチェックといった複雑なFDA規制への対応をワンストップで支援しています(FSVPに関する解説記事)。さらに、「アメリカに受け皿となる輸入業者がいない」という企業のために、法的な輸入責任者としての役割を担い、スムーズな通関を支える体制も整えています。
実際に、輸出経験のなかった食品系商社のアメリカ向けB2C輸出を支援し、FDA対応や英語の営業資料づくりといったハードルを越えながら、現地での販路開拓につなげた実績もあります(食品系商社の支援事例)。
「関税とFDA、何から手をつければいいか分からない」という段階こそ、相談する価値があります。まずは無料相談で、自社の食品をアメリカへ届けるために必要な準備を整理してみてはいかがでしょうか。
監修者
岩﨑 正隆 / 代表取締役
福岡県出身。九州大学大学院卒業後、兼松株式会社にて米国間の輸出入業務や新規事業の立ち上げ、シカゴでの米国事業のマネジメントに従事。帰国後はスタートアップ企業にて海外事業の立ち上げを経験。自らのスキル・経験を基により多くの企業の海外進出を支援するために、2023年に株式会社グロスペリティを設立。

