福岡の海外進出・海外営業代行 |株式会社グロスペリティ

イラスト

無料相談会 受付中!

海外展開をどこから開始すればよいか分からない、 海外での販路を獲得したい、具体的に○○を支援してほしいなど、 まずはお気軽に、無料の相談会を活用ください。 グロスペリティでは、上記お悩みに柔軟に対応させていただきます。

×

FDA Prior Notice(事前通知)とは?日本からアメリカへ食品を輸出する前に必ず知っておくべき手続き完全ガイド

「日本の食品をAmazon.comや現地の小売店で販売したい」「アメリカに食品サンプルを送りたいのだけれど、何か特別な手続きが必要?」

アメリカへの食品輸出を検討する日本企業から、こうした相談が増えています。
実は、食品をアメリカへ送る場合、通関とは別にFDA(米国食品医薬品局)への「Prior Notice(事前通知)」という手続きが義務付けられています。これを知らずに発送してしまうと、アメリカの港や空港で荷物が差し押さえられたり、通関を拒否されるリスクがあります。

本記事では、FDA Prior Noticeとは何か、なぜ必要なのか、そして実際の申請手順をステップバイステップで解説します。食品の対米輸出・輸入を検討しているすべての方に、ぜひ最後までお読みいただきたい内容です。

FDA Prior Notice(事前通知)とは何か?制度の背景と目的

FDA Prior Notice(事前通知)とは、食品をアメリカへ輸入・持ち込む前に、その食品に関する情報をFDAへ電子的に申告する制度です。正式名称は「Prior Notice of Imported Food Shipments」といい、根拠法は21 CFR Part 1 Subpart I(第1.276条〜1.285条)です。

この制度が生まれた背景は、2002年に成立した「バイオテロリズム法(Public Health Security and Bioterrorism Preparedness and Response Act of 2002)」にあります。2001年の同時多発テロ事件を受け、アメリカへの輸入食品を通じた生物・化学テロを防ぐために導入されました。FDAは事前通知によって輸入食品の情報を事前に把握し、リスクの高い貨物を到着前に特定・検査できる体制を整えています。

日本企業にとって重要なのは、Prior NoticeはAmazonや小売店への販売用の大ロット輸送だけでなく、サンプル品・展示会出展品・ギフトセットなど、商業目的で食品を送るほぼすべてのケースで義務があるという点です。申告漏れや誤申告は、荷物の差し押さえ・返送・廃棄処分という深刻な結果を招きます。

Prior Noticeが必要な食品・不要な食品

すべての食品輸出にPrior Noticeが必要なわけではありません。対象と対象外を正確に把握しておきましょう。

Prior Noticeが必要な食品(対象)

人間向けの食品全般はもちろん、動物用飼料・ペットフード、栄養補助食品(サプリメント)、乳幼児用食品、食品原材料・食品添加物も対象です。「人間用の食品じゃないから大丈夫」という判断は誤りで、ペットフードや飼料も対象となります。

Prior Noticeが不要なケース

個人が個人的な消費のためにアメリカへ持ち込む食品(機内持ち込みの食料品など)や、個人の荷物として送る非商業目的の少量食品は対象外となります。ただし、商業目的かどうかの判断はFDA側が行うため、「個人使用」の建前で商業品を送ることは厳禁です。

申請のタイミング:輸送手段別の提出期限

Prior Noticeは「荷物がアメリカに到着する前」に提出し、FDAからの確認を受けなければなりません。提出できる最も早いタイミングは到着予定の15日前です。輸送手段によって最短の提出期限が異なるため、注意が必要です。

航空便(飛行時間4時間未満):出発前までに提出
航空便(飛行時間4〜12時間):出発時点までに提出
航空便(飛行時間12時間超):到着4時間前までに提出
船便(海上輸送):到着8時間前までに提出
陸上輸送(トラック・鉄道):到着2〜4時間前までに提出
国際郵便(2026年10月1日以降):配送追跡番号の記載が義務化予定

これらの期限を1分でも過ぎると、FDAは荷物を自動的に保留扱いとします。特に航空便の場合、タイムラグのない迅速な申請が求められます。余裕を持って早めに申請することが鉄則です。

ステップバイステップ:Prior Noticeの申請手順

 事前準備:必要な情報・書類を揃える

申請前に以下の情報を手元に揃えておきましょう。情報が不足していると申請の途中で止まってしまうため、事前に確認しておくことが重要です。

製品に関する情報 ・商品名(英語) ・FDAが定める食品コード(FDA Product Code) ・原材料・成分(英語表記) ・正味量・数量・パッケージ形態 ・原産国(Country of Origin) ・製造ロット番号

製造・出荷に関する情報 ・製造者(メーカー)の名称・住所・FDAの施設登録番号 ・出荷者(Shipper)の名称・住所 ・輸入者(IOR)の名称・住所・連絡先

輸送に関する情報 ・輸送手段(航空・船便など) ・フライト番号またはBL番号(船荷証券番号) ・米国への到着予定日時・到着港 ・最終仕向地(Ultimate Consignee)の名称・住所

 

FDAシステムへのアクセスと申請方法

Prior Noticeの申請は主に2つの方法があります。

方法①:PNSI(Prior Notice System Interface)を使う

FDAが運営する公式のウェブシステム「PNSI(Prior Notice System Interface)」を使って直接申請する方法です。FDA Industry Systems(FIS)ポータル (https://www.access.fda.gov)からアクセスできます。
24時間365日利用可能で、FDA固有の製品コードや施設登録番号の照合が必要なケースに適しています。初めて使う場合は、FDAが公開しているPNSIユーザーガイドを参照しながら進めることをお勧めします。

PNSIの主な入力ステップは以下のとおりです。

ステップ①:FISポータルでアカウントを作成・ログインする
ステップ②:「Create New Prior Notice」を選択する
ステップ③:製品情報(商品名・FDAコード・数量・原産国など)を入力する
ステップ④:製造者・出荷者・輸入者の情報を入力する
ステップ⑤:輸送情報(到着日時・輸送手段・到着港など)を入力する
ステップ⑥:入力内容を確認・送信する
ステップ⑦:FDAから確認通知を受け取り、PNC#(事前通知確認番号)を取得する

方法②:通関業者・フォワーダーに代行してもらう

通関業者(Customs Broker)が使用するACE(Automated Commercial Environment)システムのABI(Automated Broker Interface)経由で、通関申告と同時にPrior Noticeを提出してもらう方法です。多くの場合、フォワーダーや通関業者がこの手続きを代行しており、日本の輸出者は製品・輸送情報を提供するだけで済みます。慣れないうちはこちらの方法が現実的です。

グロスペリティでは、Prior Noticeの申請代行・サポートも対応しています。英語でのシステム操作や製品コードの特定に不安がある方は、ぜひご相談ください。

PNC#(事前通知確認番号)の取得と活用

申請が正常に受理されると、FDAからPNC#(Prior Notice Confirmation Number:事前通知確認番号)が発行されます。このPNC#は非常に重要で、以下の場面で必要になります。

・荷物の外装箱に貼付または記載する ・フォワーダー・通関業者・運送会社に通知する(B/LまたはAWBと一緒に伝える) ・アメリカ到着時にCBP(米国税関)がPNC#を確認する

PNC#のない荷物は到着時に即座にフラグが立てられ、通関が止まります。申請後は速やかにPNC#を関係者へ共有することが重要です。

施設登録(FDA Facility Registration)との関係

Prior Noticeの申請において、製造施設のFDA登録番号が必要になる場合があります。食品を製造・加工・梱包する施設は、FDAへの施設登録(FDA Facility Registration)が義務付けられており、登録番号(Registration Number)が発行されます。

施設登録の主なポイントは以下のとおりです。

・登録はFDAのウェブサイトからオンラインで申請可能(英語) ・登録更新は偶数年(2024年、2026年など)の10月1日〜12月31日の間に必要 ・ペットフードや飼料の製造施設も対象 ・アメリカ在住の「US Agent(米国代理人)」の指定が必須

US Agentとは、FDAからの連絡窓口となるアメリカ在住の代理人です。食品安全上の問題が発生した際の緊急連絡先として機能するため、迅速かつ適切に対応できる専門家に依頼することが重要です。グロスペリティでは、このUS Agentの手配についても対応しています。

よくある失敗と対策

失敗①:Prior Noticeの存在を知らずに発送してしまう

「通関書類は全部揃えた」と思っていても、Prior Noticeを忘れていたというケースは非常に多いです。食品を含む荷物を送る際は、通関手続きとPrior Noticeを必ずセットで確認するようにしましょう。

失敗②:提出期限のギリギリに申請して間に合わない

特に航空便の場合、出発直前に申請しようとしてシステムエラーや入力ミスで時間がかかり、期限を過ぎてしまうケースがあります。余裕を持って発送の数日前には申請準備を整えておくことをお勧めします。

失敗③:FDAの食品コード(Product Code)の特定を誤る

FDAが定める食品コードは細かく分類されており、近い分類のコードを誤って選んでしまうことがあります。誤ったコードでの申請は、後から訂正申請が必要になるだけでなく、検査対象に選ばれやすくなるリスクもあります。不明な場合は専門家に相談しましょう。

失敗④:製造施設のFDA登録が更新されていない

施設登録の更新を忘れていた場合、Prior Noticeの申請で登録番号が無効と判断され、荷物が差し押さえられる可能性があります。偶数年の更新期限(10〜12月)を必ずカレンダーに入れておきましょう。

失敗⑤:PNC#を運送会社・通関業者に伝えるのを忘れる

申請してPNC#を取得しても、それを運送会社や通関業者に伝えなければ意味がありません。PNC#の共有は申請直後に行い、荷物の外装への記載も忘れずに確認してください。

2026年以降の注目変更点

国際郵便への追跡番号義務化(2026年10月1日〜)

2026年10月1日より、国際郵便で食品を送る場合、Prior Noticeの申請に配送追跡番号(Mail Tracking Number)の記載が義務化されます(Federal Register 2025-18655)。
クーリエ便や郵便で少量の食品を送るケースでも影響を受けるため、今から郵便会社への追跡番号の取得手順を確認しておくことをお勧めします。

まとめ

FDA Prior Noticeは、アメリカへ食品を輸出する際に避けて通れない重要な手続きです。ポイントを改めて整理します。

・食品(人間用・動物用・サプリメント含む)をアメリカへ送る際は、Prior Noticeが原則必須
・提出期限は輸送手段によって異なり、航空便は出発前〜到着4時間前、船便は到着8時間前が目安 ・申請はFDAのPNSIシステムまたは通関業者経由のABIで行い、PNC#を取得する
・PNC#は荷物外装への記載と関係者への共有が必須
・製造施設のFDA登録(偶数年更新)とUS Agentの指定も合わせて対応が必要
・2026年10月1日からは国際郵便への追跡番号記載が義務化

「英語のシステム操作が不安」「食品コードの特定が難しい」「FDA登録やUS Agentの手配もまとめてお願いしたい」とお考えの方は、ぜひグロスペリティへお気軽にご相談ください。

グロスペリティでは、FDA Prior Noticeの申請代行・サポートをはじめ、FDA施設登録の手続き支援、US Agentの手配、さらにはAmazon US出品の初期設定や現地販路開拓まで、アメリカへの食品輸出・進出に関わるあらゆるフェーズを一気通貫でご支援しています。「まず話を聞いてみたい」という段階からでも大歓迎です。無料相談会にてお気軽にご質問ください。

 

EDITOR

監修者

岩﨑 正隆

岩﨑 正隆 / 代表取締役

福岡県出身。九州大学大学院卒業後、兼松株式会社にて米国間の輸出入業務や新規事業の立ち上げ、シカゴでの米国事業のマネジメントに従事。帰国後はスタートアップ企業にて海外事業の立ち上げを経験。自らのスキル・経験を基により多くの企業の海外進出を支援するために、2023年に株式会社グロスペリティを設立。

RELATED POST

関連記事

一覧へ戻る

×