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海外事業×AI活用|中小企業が成果を出すための4つの領域と注意点

「英語が得意な社員がいないから、海外とのやり取りはAIに任せればいい」。生成AIが身近になった今、海外展開を検討する経営者様から、このような声を伺う機会が増えました。

実際、ChatGPTをはじめとするAIツールを使えば、英文メールの作成も、現地市場の下調べも、以前とは比べものにならないスピードで進められます。一方で、「AIで作った英語の営業メールを何十通も送ったのに、一件も返信がない」「AIが出した市場データをもとに計画を立てたら、現地の実態とまったく違っていた」といったご相談も、同じくらい寄せられるようになっています。

本記事では、アメリカをはじめとした海外市場への進出を検討されている中小企業の経営者様に向けて、海外事業でAIを活用できる代表的な領域と、見落としがちな落とし穴、そして成果につなげるための「AIと人の役割分担」について解説いたします。

海外事業におけるAI活用とは

海外事業におけるAI活用とは、言語の壁や情報収集の負担といった、これまで中小企業にとって大きなハードルだった作業を、AIの力で効率化することを指します。

ここで押さえておきたいのは、AIが得意なのは「作業」であり、「判断」や「関係構築」ではないという点です。AIは膨大な情報を短時間で整理し、それらしい文章を作ることには長けています。しかし、「この取引先は本当に信頼できるか」「この価格で現地のバイヤーは動くか」といった判断や、相手との信頼関係を築くことは、依然として人にしかできない領域です。

AIを「海外事業部の代わり」と考えるのではなく、「海外事業部の作業を支える道具」と位置づけること。これが、AI活用で成果を出すための出発点になります。

海外事業でAIを活用できる代表的な4つの領域

市場調査・競合リサーチ

進出先の市場規模、競合ブランドの価格帯、現地で求められている商品の傾向など、進出前の下調べはAIが最も力を発揮しやすい領域です。英語の情報源を日本語で要約させることで、これまで数週間かかっていた初期調査を、数日で見通せるようになります。

ただし、AIが示す数字や企業情報には誤りや古い情報が含まれることがあります。AIの調査結果は「仮説」として扱い、重要な数字は必ず一次情報で裏付けを取ることが欠かせません。

英語でのコミュニケーション・資料作成

英文メールの下書き、会社案内や製品カタログの英訳、商談資料の作成など、日々の英語業務の負担を大きく減らせます。英語が苦手な担当者でも、海外とのやり取りの第一歩を踏み出しやすくなった点は、中小企業にとって大きな変化ではないでしょうか。

現地向けマーケティングコンテンツの作成

ECサイトの商品説明文、SNS投稿、広告コピーなど、現地の消費者に向けたコンテンツ制作にもAIは活用できます。複数の案を短時間で出せるため、テストと改善のサイクルを速く回せるのが利点です。

営業リストの作成とリード管理

見込み顧客となる現地企業のリストアップや、展示会・商談で獲得したリードの整理、フォローアップメールの下書きなど、営業活動の裏側を支える作業も効率化できます。人が本来時間を割くべき「商談そのもの」に集中できる環境を整えることが、AI活用の大きな価値です。

アメリカ市場でAIを使う際の注意点とよくあるトラブル

「AIらしい英語」が信頼を損なう

AIが作る英語は文法的には正しくても、どこか画一的で、「誰にでも送っている定型文」という印象を与えがちです。アメリカのビジネスパーソンは日々大量の営業メールを受け取っており、そうした文面は開封すらされずに埋もれてしまいます。

また、以前の記事「アメリカ消費者心理の5つの特徴」でお伝えした通り、アメリカではブランドの一貫性や透明性が重視されます。AIで量産した文章のトーンがチャネルごとにぶれていると、ブランドとしての人格が伝わらず、信頼を積み上げにくくなります。AIの下書きを現地の感覚で磨き直す工程は省けません。

法規制・情報管理への意識不足

アメリカでは、AIを使ったマーケティング手法にも厳しい目が向けられています。米連邦取引委員会(FTC)は2024年8月14日、AIで生成した偽の消費者レビューや推薦文などを禁止する最終規則を公表し、同年10月21日に施行しました。
規則に違反した場合の民事制裁金は、1件の違反あたり最大5万3,088ドル(2026年時点)に上ります。「AIでレビューを作って販売初期の評価を底上げする」といった発想は、アメリカでは重大なリスクになり得ます。
あわせて、取引先の情報や未公開の製品情報を安易にAIツールへ入力しない、といった社内ルールの整備も欠かせません。

AIに任せる領域・人が担う領域の見極め方

AIを効果的に使うためには、業務ごとに「AIに任せるか、人が担うか」を見極める視点が必要です。判断の目安として、次の3つをおすすめします。

一つ目は、その業務が「作業」か「判断」か、という視点です。情報の整理や下書き作成はAIに、取引条件の決定や最終的な意思決定は人に、という線引きが基本になります。

二つ目は、現地での検証ができるかどうかです。AIの出した調査結果や英文を、現地の商習慣や感覚をもつ人が確認できる体制があるか。この確認工程がないままAIの成果物を使うと、冒頭のような「送っても返信が来ない」事態を招きます。

三つ目は、社内にノウハウが残るかどうかです。AIに丸投げするのではなく、AIを使いながら「なぜこの表現にしたのか」「なぜこの市場を選んだのか」を社内で理解しておくことで、海外事業の知見が会社の資産として蓄積されていきます。

AIと現地の知見を組み合わせるグロスペリティの伴走型サポート

AIによって作業は速くなりましたが、「現地で本当に通用するか」を確かめ、相手と信頼関係を築く部分は、自社だけでは対応が難しいのが実情です。

貴社の海外事業部の一員として伴走

株式会社グロスペリティは、単なる代行業者ではなく、貴社の海外事業部の一員として海外展開を支援しています。市場調査や営業リスト作成、英語資料の作成といった実務においても、効率化できる部分は効率化しつつ、最終的な判断や現地との交渉は経験あるスタッフが担う形で、スピードと質の両立を図っています。

ロサンゼルス現地法人による現地検証と対応力

グロスペリティは、カリフォルニア州トーランスに現地法人を有しています。AIで作成した英文や調査結果を、現地の商習慣を理解したスタッフの視点で確認・改善できることは、机上の情報だけでは得られない大きな強みです。現地企業とのやり取りも時差なく対応できるため、せっかくのリードを取りこぼすことがありません。

戦略立案から実行までのワンストップ対応

市場調査から販路開拓、現地での商談対応、フォローアップまでを一元的にサポートいたします。AIツールや複数の業者をばらばらに使い分ける必要がなく、一貫した戦略のもとで海外事業を前に進められます。

まとめ:AIは優秀なナビ、ハンドルを握るのは人

海外事業におけるAIは、進むべき道を素早く示してくれる優秀なカーナビのような存在です。しかし、現地の道路事情を知り、状況に応じてハンドルを切るのは、あくまで人の役割です。ナビだけを頼りに見知らぬ土地を走れば、思わぬ行き止まりに迷い込むこともあるでしょう。

AIで作業のスピードを上げつつ、現地の知見をもつパートナーとともに判断と関係構築を進めること。この両輪が揃って初めて、AIは海外事業の強い味方になります。

「AIを使って海外展開を進めたいが、何から手をつければいいかわからない」「AIで作った英文や調査結果が、現地で通用するのか不安だ」

そのようなお悩みをお持ちの経営者様は、ぜひ一度私たちにご相談ください。株式会社グロスペリティは、福岡、東京、そしてロサンゼルスの拠点を緊密に連携させ、AI時代の貴社の海外事業を全力で後押しいたします。

 

EDITOR

監修者

岩﨑 正隆

岩﨑 正隆 / 代表取締役

福岡県出身。九州大学大学院卒業後、兼松株式会社にて米国間の輸出入業務や新規事業の立ち上げ、シカゴでの米国事業のマネジメントに従事。帰国後はスタートアップ企業にて海外事業の立ち上げを経験。自らのスキル・経験を基により多くの企業の海外進出を支援するために、2023年に株式会社グロスペリティを設立。

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