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アメリカ関税の基礎知識|はじめての米国進出で経営者が押さえるべき「仕組み」とは

アメリカ市場への進出を考え始めると、ほぼ必ずと言っていいほど出てくるのが「関税」という言葉です。「なんとなく難しそう」「専門家でないと分からなそう」と感じて、つい後回しにしてしまう経営者の方は少なくありません。

ただ、関税の基本的な仕組みは、要点さえ押さえれば決して複雑なものではありません。むしろ、最初に全体像を理解しておくことで、後から発生する「想定外のコスト」や「通関でのトラブル」を防ぐことができます。

この記事では、はじめてアメリカ進出を検討している中小企業の経営者の方に向けて、関税の基礎をできるだけ平易に整理します。

そもそも関税とは何なのか

関税とは、ある国が外国から輸入される商品に対して課す税金のことです。日本からアメリカへ商品を送る場合、アメリカの税関が、その輸入される商品に対して関税を課します。

ここで多くの方が誤解しやすいのが、「関税は商品を売る側(輸出者)が払うもの」というイメージです。実際には逆で、原則として関税を負担するのは「商品を輸入する側」です。つまり、アメリカ国内に商品を持ち込む立場の人・企業が、税関に対して関税を支払う義務を負います。この立場の人を「輸入者(Importer of Record)」と呼びます。

この「誰が輸入者になるのか」という点は、後から大きな影響を及ぼします。アメリカに自社の拠点や取引相手がない状態で輸出を始めると、「では誰が輸入者として手続きをするのか」という問題に必ず突き当たるためです。進出の早い段階で意識しておきたいポイントです。

関税は商品の価格だけで決まるわけではない

関税額は、おおまかに言えば「課税の対象となる金額(関税評価額)」に「税率」を掛けて計算されます。

ここで重要なのは、税率は商品ごとにあらかじめ決まっているという点です。同じカテゴリーの商品に見えても、素材や用途、加工の度合いによって分類が変わり、結果として税率も変わることがあります。「自社の商品はどの分類に当てはまるのか」を正しく把握することが、関税を考えるうえでの出発点になります。

税率を決める「HSコード」という共通番号

商品の分類には、国際的に統一された「HSコード」という品目分類番号が使われています。アメリカでは、このHSコードをさらに細かく分けた「HTSコード」という番号を用いて、輸入品ごとの税率を決めています。

つまり、自社の商品にどのコードが割り当てられるかによって、適用される税率が変わるということです。ここを誤って分類してしまうと、本来より高い関税を払い続けてしまったり、通関で商品が止められてしまったりする原因になります。

「食品」「化粧品」「雑貨」といった大きなくくりだけで判断せず、自社の商品が具体的にどのコードに該当するのかを、進出前に確認しておくことが大切です。

誰が関税を払うかは契約条件で変わる

輸出入の取引では、商品代金のほかに「輸送費」「保険料」「関税」などのコストが発生します。これらを売り手と買い手のどちらが負担するのかを、あらかじめ取り決めておくためのルールが「インコタームズ(貿易条件)」です。

たとえば、売り手側が関税まで負担して相手国の指定場所まで届ける条件もあれば、関税は買い手側が負担する条件もあります。どの条件で契約するかによって、関税を含めた費用を最終的にどちらが負担するのかが変わってきます。

この取り決めを曖昧にしたまま取引を始めてしまうと、「思っていたより手取りが少ない」「相手から想定外の請求が来た」といったトラブルにつながりかねません。取引条件は、関税の負担者を含めて明確にしておくことが欠かせません。

アメリカの関税ルールは変わることを前提に

もうひとつ、経営者として知っておきたいのが、アメリカの関税制度は政策によって変動するという点です。税率や免税の枠組みは、その時々の通商政策や国際情勢によって見直されることがあります。

そのため、「一度調べた税率が、この先ずっと同じように続く」とは限りません。進出を検討する段階や、実際に輸出を始めるタイミングでは、必ずその時点での最新の制度を確認することが重要です。古い情報のまま価格設定をしてしまうと、利益計画が大きく崩れてしまうおそれがあります。

はじめての経営者がやりがちな3つの誤解

最後に、はじめてアメリカ進出に取り組む経営者の方が陥りやすい誤解を整理しておきます。

ひとつ目は、「関税は売る側が払うもの」という誤解です。前述のとおり、原則として関税を負担するのは輸入する側であり、契約条件によって最終的な負担者が決まります。ふたつ目は、「商品が同じカテゴリーなら税率も同じ」という誤解です。実際には分類番号によって税率は細かく分かれており、自社の商品が具体的にどのコードに該当するかの確認が欠かせません。

そして三つ目が、「一度調べれば、その税率がずっと続く」という誤解です。アメリカの関税制度は政策によって変わり得るため、調べた情報が古くなっていないかを、取引のたびに確認する姿勢が大切です。これらの誤解を避けるだけでも、進出後のトラブルはかなり減らせます。

関税の不安を「進出できない理由」にしないために

ここまで見てきたように、関税は「正しく理解し、段取りを組めばコントロールできる要素」です。難しそうに見えても、ポイントを押さえれば対応は可能です。

株式会社グロスペリティは、社名を「Global(世界での)」×「Prosperity(繁栄)」から名付けた、日本企業の海外進出・輸出をサポートする会社です。海外営業代行・パートナー開拓・越境EC・輸出サポートをワンストップで提供しており、関税や通関といった「制度の壁」も含めて伴走できる体制を整えています。

さらに、アメリカ・ロサンゼルスに現地法人「Glosperity USA Inc.」を構えており、輸入者やFDA対応代理人としての機能を担うことも可能です。誰を輸入者に立てればいいか分からないという、多くの日本企業がつまずくポイントを、現地拠点を活かして解決できるのが強みです。

「自社の商品がアメリカでどう扱われるのか」「関税の前提で価格をどう組むべきか」を知ることは、進出の第一歩です。まずは無料相談から、自社の状況に合わせて整理してみてはいかがでしょうか。

※本記事は関税制度の一般的な仕組みを解説したものです。具体的な税率・分類・最新の制度内容については、必ず公的機関の最新情報や専門家にご確認ください。

EDITOR

監修者

岩﨑 正隆

岩﨑 正隆 / 代表取締役

福岡県出身。九州大学大学院卒業後、兼松株式会社にて米国間の輸出入業務や新規事業の立ち上げ、シカゴでの米国事業のマネジメントに従事。帰国後はスタートアップ企業にて海外事業の立ち上げを経験。自らのスキル・経験を基により多くの企業の海外進出を支援するために、2023年に株式会社グロスペリティを設立。

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